2013年2月28日木曜日

「たかが草野球」で人生が変わる

本当に「人生を変える」草野球



「たかが草野球」で人生が変わる



何かの書評で本書のタイトルを見た瞬間、「そんなアホな」と思いました。
単なる精神論でも唱えた自己啓発書かと。
しかし、本書はそんな先入観を見事打ち破ってくれます。



本書に書かれていることを実践すれば、「人生が変わる」かもしれません。
著者でもあり、「東京バンバータ」の監督でもある熊本浩志さんは、
チーム全体に、このような意識を排除することを徹底されているようです。


  • 「上から目線」…高校・大学時代に実績のある経験者
  • 「しょせんお遊び」…週2回しか参加できない社会人






守備の要はショートではない!




実は、監督の熊本浩志さんは、"美しいカデン amandana" を開発する、
株式会社リアルフリートの社長さんです。



会社の経営者の方なので、ビジネスの場面で必要とされる意思決定を、
野球になぞらえている部分もあります。


  • (ビジネス)「いい『間』から、いい『流れ』を作る」
  • (野球)スピードよりコントロールを重視する

  • (ビジネス)「常にムダを省く」
  • (野球)省エネ投法で相手を手玉に取る

  • (ビジネス)「意識しての適材適所」
  • (野球)守備の要はサードに固定する



サード

baseball / BernardBoyGenius




「草野球」をカテゴライズ




「文章の書きかた」など「勉強法」の本を読んでいると、
「仕事のデキる人」は、「言葉の置き換えが上手い!」
言われますが、熊本監督(社長)は、ホントにその通りだと思います。



ですが、それ以上にスゴイ!と思うところは、
「草野球」を「硬式野球」、「プロ野球」、「学生野球」とは、
切り離して考え、専門分野化しているところです。そのためチームメンバーに対して、


  • 休日の貴重な時間を使ってどうっやたら楽しめるか?
  • 社会的背景の違うメンバーの目的意識を合わせられるか?
  • 若い時にできたしょうもないプライドを捨てられるか?


を「筋肉痛」ではなく、「頭脳痛」になるぐらいの意識を求めていらっしゃいます。
別に草野球に限らず、短時間で何かを「心から楽しみたい!」と思う人には、
オススメの一冊です。



【関連エントリ】


ともに戦える仲間のつくり方




2013年2月26日火曜日

今週の週刊東洋経済 2013年3月2日号

仕事がなくなる!あなたはどうしますか?



今週の週刊東洋経済 2013年3月2日号



毎週、火曜日になると、経済誌の見出しを3誌ぐらい比較しております。
どれが、一番とんがっているかのかを確認するためです。
今週のラインナップは、次のとおり。


  • 週刊ダイヤモンド→「新・株入門 スラスラわかる!賢い投資術」
  • 週刊日経ビジネス→「徹底検証・アベノミクス 究極の選択か、一瞬の熱狂か」
  • 週刊東洋経済→「先進国が直面する危機・2030年あなたの仕事がなくなる」


ここ数年、毎週のように経済誌の特集を比較していると、
各誌の「とんがり度」が分かるようになります。



今週の「ダイヤモンド」と「日経ビジネス」は「定番」ですが、
「東洋経済」は、かなりとんがっています。





Claw Crane / Dick Thomas Johnson





進化する特集⁉




  • 「給料の中身特集」
  • 「10年後に食える特集」
  • 「解雇特集」



は、結構見てきましたが、今回は、「仕事がなくなる特集」
とうとうここまで来たか!という感じです。



といっても働きかたが変わったり、中間所得層が減少するというのは、
以前、「働きかた」の「考えかた」でも書いていたりするので、
今回は、「仕事がなくなる」ことについて、違う側面から考えてみます。


 

仕事がなくなる!その対策は…?




この手の特集を見て思うことは、「では個人としてどうすればよいのか?」ということです。
管理人は、「東洋経済」を読みながら、3つほど方策が思い浮かびました。



  1. 参入規制の高い業種にいる人は、その業界(会社)から離れない(P55)
  2. とことん「オタク」になって好きなことを追求する(P65)
  3. 生産者ではなく消費者として豊かさを享受する(日経ビジネスP12)



ここで、日経ビジネスの記事を持ち出したのは、理由があります。
将来の発症するリスクがあるガン予防をするために、遺伝子情報を解析するコストが、
安価になるかもしれない、という記事が書かれていたからです。



そういや、バイオパンク―DIY科学者たちのDNAハック! でも、
そんな感じの記述があったような…。
いずれにしても、発想の転換や語学、プログラミング言語の習得が必要そうです。



【関連エントリ】


「働きかた」の「考えかた」



【参考文献】


マーカス・ウォールセン バイオパンク―DIY科学者たちのDNAハック!バイオパンク―DIY科学者たちのDNAハック!


バイオパンク―DIY科学者たちのDNAハック!


2013年2月24日日曜日

過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか?

体育の授業から「ムーアの法則」を眺める



過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか?



この記事を読んでくださった読者の方は、中学校の体育の授業では、
どんなスポーツをされたいたでしょうか?


  • サッカー
  • 水泳
  • ソフトボール
  • バスケットボール

etc…etc…



管理人が通っていた公立中学校でも、これらの競技を行いました。しかし、中学1年の
1学期の授業には、辟易しました。なんと、学期間まるまる「行進練習」だったからです。




「太平洋戦争が終わって40年以上するのに、なぜ軍事教練?」




と、当時はぼんやり思っていましたが、最近になって理由が分かってきました。
要は、「上意下達のシステム」を徹底させるためであると。






マーチングバンド

1005_0179 / genbasu



軍隊の「兵士」と学校の「生徒」





別に、中学校で軍事教練をすることの、是非を考えたい訳ではありません。
思考や行動様式は、1940年代も1980年代も大して変わらん、ということを言いたかったのです。



  • 士官 → 兵士(1940年代)
  • 先生 → 生徒(1980年代)



なるほど「行進練習(軍事教練)」において、先生(士官)の指示に、
生徒(兵士)は逆らえません。20世紀の大規模製造業や軍隊のように、
「決められた時間・場所」「大量の規格品」を送り届けるような
「型」を身につけさせるには、なかなか合理的な授業だったと思います。





「兵士」の役割が人間から半導体に





本書のテーマはズバリ、「ムーアの法則」で、何が変わるのか?ということですが、
結論を言えば、次の通り。半導体の価格が、億単位で下がり、「兵士」の役割を
人間にさせる必要が、なくなってきています。



"既存の権威や肩書きが意味を失ってすべての個人が対等に競争し、情報処理能力による所得格差が拡大する孤独な世界である"

(「終章 孤独な世界の中で」P204)



冒頭の部分に引っ掛けると、情報処理の方向性が、「逆流」するわけですな。




  • 士官  兵士(2010年代ぐらい)
  • 先生  生徒(2010年代ぐらい)



ついでに著者の池田さんは、放送業界(NHK)出身の方です。
そのせいか、情報処理の流れについて、放送局と一般市民の関係を捉えて、




  • YouTube ← 一般市民(2010年代ぐらい)



という具合になることも示されています(本書の出版は2007年)
最近、YouTubeで「メシを食っている」方たちも、いらっしゃることを考えれば、
なるほど納得の一冊です。




【関連エントリ】


半導体衰退の原因と生き残りの鍵
組織の限界






2013年2月23日土曜日

ネットで成功しているのはやめない人たちである

ネットで成功するための原理原則



ネットで成功しているのはやめない人たちである


  • ブログでアクセス数を稼ぐためにはどうすればいよいか?
  • ブログを書くことで収入を得るためにはどうすればよいか?


ブログの運営に携わっている人には、ごく自然的に発生する気持ちのように思います。
そのため「ブロガー成功本」も何冊か読んできました。



そういった本でも露出を増やすためのコツ、ブログを「書き続けるためのコツ」などが、
語られています。確かに本書でも、継続のコツが語られていますが、切り口が少し違います。



違いは個人の体験談ではなく、著者が100人のブロガーにアンケートを送信して、
その内容を分析しているところです。本書は、Web界隈ではよく聞かれる、
いわゆる「集合知」の実践であるとも言えます。



Web上のコンテンツの量からいって、100人という数字は小さいかもしれませんが、
「成功事例」を定量化している本は、少数派なので大いに意義があると思います。




アンケートに答える

アンケートに答える / Sekikos




定量分析から定性分析へ





本書の構成を見ると、概ね次のような感じです。


  • アンケート形式の紹介
  • アンケート回答内容
  • アンケートの定量分析
  • アンケートの定性分析
  • まとめ


「ブロガー成功本」では、「SEO対策」とか「アフィリエイト広告なら○○」など、
具体的なテクニックが紹介されていることが多いのですが、本書ではそういう
具体的な視点から、一歩引いています。



あえてそのようなテクニックを抽象化して、ネットで成功するための原理原則を
見つけようとしています。そのことが、タイトルの<やめない人たち>に込められています。




ログ(log:記録)が資産の世界





では、ここでいう原理原則とは何でしょうか?


  • 3年はやめない(P208)
  • 「無理をしない」というスキルを身に着ける(P212)
  • ログ的にものを考える(P228)


1,2番目は、今まで読んできた成功本でもよく書かれているせいか、
個人的には特に3番目の考え方に惹かれます。この考え方は、ブログ運営だけでなく、
普段の考え方でも、通用しそう。


"ログ(log)は蓄積し→深堀し→問いかけ→活用→再定義することではじめて蓄積した意味が出てきます。だから、ログを参照したいときに、参照したいデータが既に整理されている状態を維持することが、運用に多いていちばん大事なことになります。"

(「6 ログ的にものを考える」P238)



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Webサイト・ブログのアクセス数UP!
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2013年2月22日金曜日

半導体衰退の原因と生き残りの鍵

半導体産業をみて思うこと



半導体衰退の原因と生き残りの鍵




本書の著者である佐野昌さんは、東京大学理学部物理学科を卒業され、
日立製作所やルネサスエレクロニクスの半導体部門で勤務されています。



タイトル通り、半導体産業の衰退の現状や対策について、
技術的根拠にもとづき、詳しく述べられています。



管理人は特に半導体の知識が、あるわけではありません。
従ってタイトルにある、「半導体衰退の原因と生き残りの鍵」がどこにあるのか、
「第7章 まとめ」の章から読んでみることにしました。



第7章では、次の3つの提案がなされています。
これらの提案を読んでいると、半導体とは直接関係ないような本が、色々と頭に浮かびます。
突き詰めると、半導体産業に固有の問題ではないように感じるからです。



  1. 専業化
  2. モジュラー型産業構造への転換、分業の推進
  3. 標準インターフェースの、標準規格の取り込み




RAM / James Bowe




専業化→「国富論」




国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究(上)




国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究(上) は、
経済学の父と言われるアダム・スミスの著作。
経済の発達の過程で、分業(専業)による、「特化の利益」を説いていたことが思いだされます。



管理人が運営している、おちゃらけミクロ経済学でも、
比較優位の概念と合わせて、「特化の利益」について、書いたことがありますもんで・・・。




モジュラー型産業構造への転換、分業の推進→「失敗の本質」








産業構造の転換と推進を図ろうと思えば、
システムの蓄積、システムの構築力が必要となるらしい。



太平洋戦争の戦訓から日本人組織の問題点を明らかにしようとした、
失敗の本質―日本軍の組織論的研究失敗の本質―日本軍の組織論的研究 でも、旧日本軍の組織において、
同じようなことを問題としています。



局所的な戦闘を実行する、下士官・兵は大変強かったらしい。
しかし、戦略を実行する士官の発想がアメリカ軍と比べて、まるでなっていなかった、
と指摘しているところを思いだしました。組織の考え方として、
旧日本軍半導体産業の姿がだぶる…。




標準インターフェースの、標準規格の取り込み→「新教養主義宣言」




新教養主義宣言 (河出文庫)



半導体では、「売れる仕様を決定する力をつけよ!」(P219)と説かれ、
新教養主義宣言 (河出文庫)新教養主義宣言 (河出文庫) では、「問題はどうやってその日本流を分からせるか」
と説かれています。



要するに問題点は、「日本ローカル」か「グローバル化」ということではなく、
こちらの意図をあちらさんに、どうやって分かってもらうかということ。




結局は知識のタコ壺化が危ない




結局のところは、世の中のありとあらゆる知見を生かされることが、
必要なんだなと感じます、「文系だから」「理系だから」「専門外だから」ということではなく



最後まで飛び飛びの文章になっていましたが、最後に関連してそうな本を挙げるとすれば、
エニグマ・コード―史上最大の暗号戦 (INSIDE HISTORIES)でしょうか?
解読不可能と言われた暗号について解読するための「集合知」が、生かされていますので。



エニグマ・コード―史上最大の暗号戦 (INSIDE HISTORIES)




【関連エントリ】


過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか?
おちゃらけミクロ経済学 比較優位と取引利益





2013年2月21日木曜日

はじめてであう すうがくの絵本(2)

y=f(x)が嫌いな人のためのすうがく







ミクロ経済学の教科書を読んでいると、初学者でも微分の考え方について理解することが、
求められます。といっても、エッセンスを理解するだけであれば、特にdx/dy(変化率)とか、
⊿(差分)などの記号を使わずとも、作図と文章による説明のみで可能です。



もっとも、ある程度説明に慣れてくると、むしろ数式を使ってくれた方が、
ありがたく感じるようになります(もちろん2次関数か、指数関数程度という条件は付きますが)。
そうなると必然的に、y=f(x)という数式を、見ることになります。




関数

List-functions / Richard-G





「関数」と「函数」





管理人は、中学・高校時代に数学の授業で、
「関数」y=f(x)だ」ということを教え込まれたよう気がします。とにかくこれを覚えろと。



「何も考えずにとにかく暗記なんて!!!」、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが当時は、物事を一方向しか見れなかったので、仕方ありません。過ぎたことですし。



高校を卒業して、すでに20年近く経過し、経済学の本を見ると、
再びy=f(x)の数式に再会することになります。しかし、30も半ばを過ぎると、
意味づけのない記憶は定着しません。




そんな中、畑中洋太郎先生の、直観でわかる微分積分という本を知りました。
畑中先生も語られていますが、むしろ「関数」というより、実は「函数」という方が、分かりやすい。



  • 「関数」→xとyの2つの数字の関係を示す
  • 「函数」→xを何かの「函(箱)」にほおりこんだらyになる



「関数」の意味も決して間違いではないと思いますが、最近、プログラミングのコードを
見ていることが多く、「関数」よりも「函数」とした方がイメージがしやすいからです。




函数の代わりに「ふしぎなきかい」





本書は対象年齢が、4歳以上の絵本です。ただし上限は「おとなまで」と書いているせいか、
数学の考え方について、鋭く迫っています。もちろん、教科書でおなじみの
「y=f(x)」はまったく出てきません。「関数」「函数」は、「ふしぎなきかい」と表現されてます。



  • アゲハチョウ→→「?」→→イモムシ
  • にわとり→→→→「?」→→ひよこ
  • かえる→→→→→「?」→→おたまじゃくし



「?」で表された「ふしぎなきかい」は、「じかんをぎゃくにするきかい」と言えます。
言い換えると「ふしぎなきかい」は、畑村先生がおっしゃる、「函数」の「f( )」の部分にあたります。



非常にわかりやすい「すうがく」です。一生使えそうな考え方なので、
子供のときに読みたかった(苦笑)。「おちゃらけミクロ経済学」でも、微分について書いてます。
よかったらぜひ。




【関連エントリ】


直観でわかる微分積分
おちゃらけミクロ経済学 限界費用逓増の法則と微分 おまけ



【参考文献】


畑村洋太郎 直観でわかる微分積分直観でわかる微分積分 岩波書店



直観でわかる微分積分


2013年2月19日火曜日

法と経済で読みとく雇用の世界 働くことの不安と楽しみ

「あるべき論」と「自然の流れ」



法と経済で読みとく雇用の世界 働くことの不安と楽しみ



日本の雇用について、法律と経済学の視点から解説した本です。
2011年現在、日本の労働力人口は、約6,600万人で、そのうち雇用労働者が、
約5,500万人と言われています(残りの1,100万人は、自営業者と家内労働者)。



そういう風に考えれば、日本人の2人に1人は、この本の内容に
関わっていることになりますので、知っておいて損はない内容ばかりです。
パラっと目次をめくるだけで、目を引きそうなトピックスが豊富です。


  • 採用内定取り消しと解雇規制
  • 最低賃金と貧困対策
  • 労働時間
  • 労働者性
  • 労働組合
  • 賃金格差

etc…etc…etc…



ただし、この本は、大学の教科書で有名な(?)有斐閣さんから出版されているせいか、
初心者向きではないように見えます。多分、大学の経済学部で、労働経済学
専攻している人に向けて書かれているような気がします。




労働

中学生の職場体験です☆ / ict.wa4




「最後の保障」は誰がするの?




労働経済学を専攻している人向け」とキッパリ言ってしまうと、
読者の方の敷居を上げてしまいそうな感じなので、(一応)通読した管理人から見て、
著者の最も主張したいと思われるところを、引用しておきます。


"市場と政府の役割分担という観点からみたときには、取引(労働契約)自体は当事者の自由にゆだねたうえで、政府による財政の投入による所得保障を図るという政策と、市場の効率性を歪め雇用量の減少をともなうとしても、契約内容の最低基準を強制的に設定するという形で労働者の所得保障を図る政策の、どちらが社会全体にとってよいのかという問題でもある"

(「終章 労働市場、政府の役割、そして、労働の法と経済学」 P308。かっこ内は管理人が追加)



別の言葉に置き換えると、


  • 労働契約も一種の市場取引だから当事者間の自由にやってね!
  • でも当事者間の自由だけにすると最低限の生活も危なくなる人もいるかも!?
  • その最低限の生活保障は、企業がするの?国が負担するの?どっちがいいの?


といったところでしょうか。




シメは宣伝も兼ねて…




各章の各トピックスは、すべて市場(経済)と政府(法)の両面から捉えられ、
それぞれのメリット・デメリットが、主に経済モデルと裁判例に基づいて紹介されています。


  • 法律はどちらかというと、「あるべき論」
  • 経済はどちらかというと、「自然の流れ」


本書では、経済の「自然の流れ」を前提として、法律の「あるべき論」で、
どのように補完していくか、という考えのもとに話が展開されています。



管理人自身は現在、ミクロ経済学のブログも運営しているせいか、
経済の「自然の流れ」をおすすめしたくなります(そのうち考えが変わるかもしれんが)。



ただし、本書の経済に関する部分は、ある程度、ミクロ経済学の初歩的な知識が、
必要になると思います。本書にご興味のある方は、「おちゃらけミクロ経済学」も、
よろしくお願いします(笑)。法律部分については、【参考文献】の本を読んでおくといいかも。




【参考文献】


向井 蘭 社長は労働法をこう使え! ダイヤモンド社



社長は労働法をこう使え!












2013年2月17日日曜日

プロセッサを支える技術 果てしなくスピードを追求する世界

一般教養としての半導体・プロセッサ・CPU



プロセッサを支える技術 果てしなくスピードを追求する世界




管理人は、特に半導体に詳しいというわけではありません。
ただ半導体工場のすべて 設備・材料・プロセスから復活の処方箋までという本を読んで
感想を書いているときに、本書に出会いました。



本書を読み始めた動機としては、
「パソコンで作業をすることが多いから、知っておいた方がいいかも~」
というかなり軽い動機です。従って今回の記事は、個人的な備忘録みたいなもんです
(内容が間違ってたらゴメンナサイ!)。



1章と2章にプロセッサやコンピューターシステムの基礎が、紹介されてます。
そこだけ読んで、自然科学のための一般教養として捉えられると感じます。




Intel

Intel Inside / huangjiahui



プロセッサってなに?




本書のタイトルにも使われているプロセッサって何でしょうか?



そもそもプロセッサが使われている、コンピューターとは、
入力された情報に従って計算などの処理を行い、その結果を出力をする機械です。



そのコンピューターは、大きく3つの構成要素に分かれ、プロセッサは計算処理を担当します。
CPU(中央演算処理装置)とも言われるようなので、そっちの方がなじみがあるかもしれません。


  • 計算などの処理を行うプロセッサ
  • プログラムやデータを記憶するメモリ
  • 入出力装置、I/O装置

"プロセッサは、メモリに記憶された命令の集まりである「プログラム」に従って、これまたメモリに記憶された「データ」に演算を施して、その結果をメモリに書き、さらにそれを再利用して演算を行う"

(第1章「プロセッサとコンピュータシステムの基礎」P6)



ムーアの法則とデナードスケーリング




このプロセッサの電子的なスイッチとして使われているトランジスタには、
ムーアの法則なるものがあります。



「集積回路上のトランジスタ数は18か月ごとに倍になる」という法則ですが、
おおざっぱに理解しようと思ったら、「半導体はどんどん微細化する」というところでしょうか。
本書のP23~24で、2ページにまたがって説明がされています。



ただムーアの法則は、中央大学・竹内健先生のつぶやきなどで 前から知っていましたが、
デナードスケーリングなるものがあることは、はじめて知りました。



集積回路は微細化すれば、それでオシマイというわけでなく、
スイッチの動作スピードの向上や省電力化も、図らなければならないようです。
半導体の集積度が増加すればするほど、大きな電力が必要になるからだと思う)



本書で紹介されているデナードスケーリングとは、半導体に流れる電流を
コントロールするための技術です。この技術に則って、寸法を半減すると、
スイッチの動作は2倍、消費電力は1/4になるらしい。



「デナードスケーリング」については、Wikipediaにも載っていません(2013年2月15日現在)
とっちらかった文章ですが、何かのとっかかりに使えれば幸いです。




【関連エントリ】


半導体工場のすべて 設備・材料・プロセスから復活の処方箋まで



【参考文献】



佐野 昌 半導体衰退の原因と生き残りの鍵 (B&Tブックス)半導体衰退の原因と生き残りの鍵 (B&Tブックス)



半導体衰退の原因と生き残りの鍵 (B&Tブックス)




竹内 健 世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記 (幻冬舎新書)



世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記 (幻冬舎新書)