2012年12月5日水曜日

やさしいベーシック・インカム

無条件で全員に対して個人単位で交付される所得




やさしいベーシック・インカム



本書は概ね3部構成です。
現在の社会保障制度の問題点を明らかにした上で、
ベーシック・インカムという新しい制度の紹介や、
その財源論について、述べられています。



いわゆる負の所得税給付つき所得税の税額控除と、
同じです(と個人的には思ってます)



ベーシック・インカムとは?



ベーシック・インカムの定義は、以下の通りです。


"交付にあたって資力調査や就労要件がない、無条件で全員に対して
個人単位で交付される所得のこと"

(P109)

要するに、高齢者でも、赤ちゃんでも、お金持ちでも、貧乏人でも、
日本国籍を有するだけで、最低生活費が支給されます。



たまに、「ベーシック・インカムがあると勤労意欲が削がれる」
という話が聞こえてきますが、本書ではそれを否定しています(P55)



都市近郊だと、月5万円程度の最低生活費をもらっているだけでは、
シェアハウスに閉じこもって、コンビニを往復するだけで終わり
という感じなので、納得してしまいました。



ある意味、お金のかかる欲望(娯楽・レジャーなど)を満たそうと思えば、
ベーシック・インカムで支給される金額ではとても足りません。
大部分の人は、今まで通り働くことになるでしょう。



もちろん、月5万円の金額と言うのは、例であって、
本格的に導入するときには、この額になるかどうかは、分かりません。
(もちろん、国民的大議論になるでしょうが)



役所

Saiwai Ward Office / mdid



現在の社会保障(年金制度)の問題点


  • 世代間不公平の真実(P107)


社会保障給付の差が、8340万円(1940年生と2005年生比較)となっているようです。
かなり衝撃的な表です。


ベーシックインカムの財源論


  • 一般会計予算の50兆円特別会計への繰入(P160)
  • 公務員の人件費問題(P212)

一般歳入の使途は、主に、国債償還地方交付税交付金社会保障給付の3つに
振り分けられ、かなり義務的、固定的となっているようです。



「どこの自治体も、地方交付税交付金がないと、8割とか9割は立ち行かなくなる」
かつて「平成の大合併」なるものが、ありましたが、
固定的経費の削減のための施策だったような・・・。



「平成の大合併」が、直接ベーシック・インカムにつながるか政策だったかどうかは、
分かりませんが、財務省のデータを調べてたら、こんなんが出てきました↓


「平成22年度公務員人件費について」 財務省



最近、何かとベーシック・インカムに関する話を聞くようになってきた感じです。
気になる方は、【関連エントリ】や【参考文献】も、ご参考までにどうぞ。



【関連エントリ】


おちゃらけミクロ経済学~ベーシックインカムとドラえもん
おちゃらけミクロ経済学~ベーシックインカムと「もしもボックス」
おちゃらけミクロ経済学~ベーシックインカムまとめ



【参考文献】


小飼 弾 働かざるもの、飢えるべからず。働かざる者飢えるべからず サンガ


働かざる者飢えるべからず



堀江貴文 まな板の上の鯉、正論を吐く (新書y)まな板の上の鯉、正論を吐く (新書y)


まな板の鯉、正論を吐く






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