2012年12月26日水曜日

TPPで日本は世界一の農業大国になる ついに始まる大躍進の時代

TPPをビジネス思考で考えてみよう


TPPで日本は世界一の農業大国になる ついに始まる大躍進の時代



おちゃらけミクロ経済学で、比較優位や割当に関する記事を書いて以降、
国際貿易の問題を考える際に、ミクロ経済学の視点が使えると、感じるようになり、
本書を手に取りました。



本書を読んで、最も印象に残った点は、TPP(環太平洋経済連携協定)の考え方が、
品目別に異なるというところです。



農業品目をカロリーベースで「まとめ」




少し大ざっぱにいうと、農業品目をカロリーベースで見ると
高い品目ほど「TPP参加反対」に近い立場が取られており、
低い品目ほど、「TPP参加賛成」に近い立場が、取られているような気がします。
(より正確に言うと「参加・反対どちらでも良い」という感じ)。


  • 米・小麦・大豆・飼料など→カロリーベースの高い品目
  • 野菜・果物・花卉など→カロリーベースが低い品目


※飼料とは家畜用を指しますが、その家畜は人間が食べるので、
カロリーベースが「高い」としました。花卉は食べられませんので、
カロリーベースが「低い」にしておきました。



農業品目をビジネスベースで「まとめ」




次にこれらの品目を、ビジネス単位でザクッとまとめなおすと、
次のような印象を受けます。


  • 米・小麦・大豆・飼料など→国内向けビジネス
  • 野菜・果物・花卉など→海外向けビジネス


例えば、小麦であれば、なぜか農水省が「輸入商社」(P119)をやって入る一方で、
リンゴについては、日本産のリンゴが「アメリカで大ヒット」(P47)しているのが、
非常に対照的です。



リンゴ

Fruits / mrhayata



知財分野と農業分野のTPPを比較



次に、少し大きな視点から知的財産権分野のTPP問題と、
農業分野のTPP問題を比較してみましょう。



先日のブログでは、知的財産分野のTPP問題のネックとなっているのは、
既存のメディア産業がデジタル・フリーのビジネスモデルについていけるか
どうかにかかっていることを述べました。具体的には次のような構造になります。


  • 新聞・TV・音楽CD→デジタル・フリーは容認不可(紙・DVD・CDはコピーが簡単)
  • イベント・ライブ→デジタル・フリーは容認可(生体験するものはコピーできない)


そしてここからが、管理人の個人的な予想です。
とっちらかった結論かもしれませんが、農業分野のTPPと合わせて、
ビジネス・ベースで次のように推測します。


  • 米・小麦・大豆・飼料→新聞・TV・音楽CD→国内向け産業
  • 野菜・果物・花卉→イベント・ライブ→海外向け産業


つまり、後者の組み合わせは、「海外に輸出できる産業」ということで
「まとめ」られるのではないでしょうか?



【関連エントリ】


限界集落株式会社
今週の週刊ダイヤモンド2013年2月9日号
おちゃらけミクロ経済学 自由貿易の条件
「ネットの自由」VS著作権 TPPは終わりの始まりなのか



【参考文献】


グレゴリー・N・マンキュー マンキュー経済学〈1〉ミクロ編マンキュー経済学〈1〉ミクロ編 東洋経済新報社


マンキュー経済学〈1〉ミクロ編



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