2012年11月15日木曜日

<起業>という幻想 アメリカンドリームの幻想

「起業をするな!」ということではございません





<起業>という幻想 アメリカンドリームの幻想



"起業家になるべき理由は、もう一つ存在する。
それは、個人の幸福だ。さまざまな研究から幅広く集めたデータによれば、
人は他人のために働くよりも、自分のために働いた方が幸せになれる"

(P136)


これは、「箴言」だと思います。
かのアダム・スミスは、経済学の古典的名著である
国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究(上)国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究(上) で、
経済は、単に人間の慈愛心から成り立っているのではなく、
肉屋やパン屋などの利己心から成り立っている、と説明されています。
上記の引用は、まさに、そのスミスの国富論を、髣髴とさせるものがあります。




また先日、当ブログでも紹介した幸福度をはかる経済学幸福度をはかる経済学
第7章でも「自営業とボランティアはなぜ幸福なのか?」という、
研究テーマがあるので、もう一度読み返してみたいと、思いました。




これから起業をしようと考えている人にとっては、
この背表紙やタイトルは、「冷や水」を浴びせられそうな言葉です。




ですが、本書の真意は、全ての起業を行うことを、やめさせることではありません。
安易に彩られた有象無象の、「神話」にもとづく起業について、警告を行っています。




株式上場!

Tokyo Stock Exchange / Dick Thomas Johnson



もちろん、起業は、「こうしたら成功する」という方法はありません。
ただ、本書では、世の中に広く流布されている、「神話」の裏返しをすることで、
「失敗せずにより長く生き延びる方法」についての、「ヒント」が、散りばめられていると思います。



P167~P169において「よりよい起業家」になるための、具体的な示唆がされています。




参考文献:


アダム・スミス 国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究(上)国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究(上)





ブルーノ・S・フライ 幸福度をはかる経済学幸福度をはかる経済学


幸福度をはかる経済学


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